たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/スリービルボード

手放しで絶賛はしないが
年に10本の作品を選ぶなら
検討に値するほどの良い作品だ

物事の多面性と不毛
それを捉えたなかなかの秀作

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いくつか演出上の不満もあるが
あまりいうとネタバレになるので抑えることにする

ただ一つね
オープニングだけについては言っておきたい

三枚の看板を
何度も何度も
いろんな角度いろんな撮り方で
たくさんのカットを見せることは不満だ

大監督、優秀な監督はそんなことは決してしない!

もしかしたら
監督本人の自信のなさの表れかもしれないが
こういう行為は
仮に名作の域の作品を目指すならやめておくべきだ

と、思ったら、
やはりアカデミー賞では
監督賞にノミネートされていないね
下馬評の高い作品なのに監督賞では外されている

監督の
細かいところで良いと思ったところも挙げておこう
亡くなった署長の奥さんがミルドレッドに会いに来た場面
帰り際に乗ってきた車が映るけどトヨタなんだよね
レクサスでもなく、アメ車じゃないんだよね、人柄を表しているね
こういう繊細さは演出家として大切だよね

主人公の作業着のような服
あれ、囚人服に見えない?
彼女は被害者の母親なのにこの小さな田舎町では
まるで罪人のようだね
こういう衣装の選択も上手いね

オスカーにノミネートされず残念だけど
これから先に注目の集まる監督であることは確かだね

しかしながら
演出力の不足をカバーするにあまりあるほど
素晴しい演者たち
脚本もよくできている

観ていて感じたのは
<ミルドレッドピアーズ>、<夜の大捜査線>、<マンチェスターバイザシー>
そして<殺人の追憶
それぞれの作品のエッセンスを巧く取り込んでいるんだね
やはり映画とは引き継がれ、新しいものを生み出していく

<ミルドレッドピアーズ>は母と娘
親の娘に対する育て方と愛情、そして時にその愛情は変質する
主人公の母親の名前が一致するのは偶然ではないはずだ

夜の大捜査線>は悪徳警察署長
南部の田舎町、その警察署長は黒人差別主義的だが
真は心ある人でもある

マンチェスターバイザシー>
現実とそれに対する苦悩
そして不毛なこと

殺人の追憶>未解決事件
それを取り巻く群集劇、、、、

小人のピーターディンクレイジを絡めて
主人公女性も決して完全な人出なく
人として少し欠落した部分もあるよう描いたのもいい

登場する人物たちがいい
皆、良い人でもあり、
皆、軽蔑すべき人でもある

でも、思う、

完璧な人はいない
しかし悪を憎む権利は誰にでもある、、、

4☺

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