たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/プレイタイム

映画史上に燦然と輝く超名作なのに
なぜか日本では、ほとんど語る人がいない

ジャックタチの<プレイタイム>

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タチについては、こんな逸話があるね(Wikiより抜粋)

1959年、『ぼくの伯父さん』は米国第31回アカデミー賞外国語映画賞を受賞する。授賞式出席のため訪米する際、映画会社の人間から「(当時人気絶頂だった)ジェリー・ルイスとお会いになるおつもりがあるならば、(会談を)セットしますよ」と言われたが、タチは「ジェリー・ルイスと会う必要は感じません。もし会えるなら私はむしろマック・セネットと会いたいです」と返答した。当時、養老院で最晩年を送っていたマック・セネットはこれを聞いて大いに喜び、タチが深く愛したサイレント喜劇映画時代の仲間を呼び集め、タチを迎えて親しく歓談したという。その席に招かれた無声喜劇映画の巨星たちとは、すなわちバスター・キートンハロルド・ロイド、そしてスタン・ローレルオリヴァー・ハーディ1957年に死去)のことである。
アカデミー賞受賞時には、これら無声喜劇映画のスターたちを念頭に「If Hollywood had not done so many funny pictures, I would not be here tonight. For all those great comedians, I am not the uncle, but the nephew.(もしハリウッドがあれほどたくさん面白い映画を作っていなかったら、今夜私はここにいないでしょう。あの偉大なコメディアン諸氏に対して、私は「伯父さん」ではないのです。私は彼らの甥っ子なのです)」とのスピーチを残している。

モーションピクチャーをこよなく愛する監督であり役者だね、、、

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次に
<プレイタイム>に関する、Wikiよりの抜粋

タチ・ヴィル」と呼ばれる、ガラスの超高層ビルや空港・博覧会場・アパート・オフィスなどのモダニズム建築群からなる2500平方メートルの巨大なセットがパリ郊外のパンセンヌに作られ、高画質の70mmフィルムを使用して撮影が行われた。細部へのこだわりから全体の3分の1を撮り直したり、ほぼ全ての俳優のパントマイムをタチ自ら指示するといったこだわりもあり、最終的には撮影期間は丸2年、制作費も現在の額にして1540万ユーロというフランス映画では前例のない多額に及んだ。
フランソワ・トリュフォーら一部の映画人には絶賛されたものの、アメリカでの配給がうまくいかなかったことや、タチに反感を抱いていたマスコミによる酷評などがたたり、興行的には惨敗する。再利用の希望もかなわずタチ・ヴィルは取り壊され、タチは破産に追い込まれてしまう。しかしタチ自ら「私の遺作」と語ったほどに、監督の文字通り全身全霊が捧げられたこの超大作は、作家主義嗜好の映画ファンから今なお熱い支持を受けている。

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色彩感覚(と言っても、カラフルの意味ではない)がハンパない
センスがいい、というか、スゴイ

全てのシーン、カットの最初から最後まで
これは60年代のフランスの<市民ケーン
オーソンウエルズのようであり
ルイスブニュエルのようでもあり
またはチャップリンであり
アキカウリスマキでもある
それでも映画に対するアプローチが唯一無双

シュールでシニカルで
スタイリッシュでスラプスティックスで
モダンで美しい

その美しさは風景や自然のその美しさではなく
都市の、工業デザインのような、グッドデザイン賞的な
アート系デザイン系の雑誌のような

キャメラの構図が動きと共に美しさを増幅し
ぐんぐん画で見せていく

兎に角カッコいい
アクション映画のドンパチのカッコ良さでなく
美形俳優たちの容姿のカッコ良さではなく
画がキマっていてカッコいい

セリフはほとんどないに等しい
字幕が無くても理解できる

物語というかプロットじたいが
ほぼ存在しないのだ

後半
作風は若干変調し
ドタバタ感が強調されるが
これも必要な要素だったのだろう

そして
まるで隠しキャラを探すように
スクリーンの隅の隅まで面白さが隠れている
何度でも観て確認したい

しかしながら
莫大な費用を掛けて完成までにこぎつけたが
その制作費を回収できるほどの成功はなかったようだ

コッポラの<地獄の黙示録
マイケルチミノの<天国の門
そしてジャックタチにとっては<プレイタイム>が
作品としては成功しながらも
その後の険しい同じ道を辿っている、、、

ストーリーやアクションの良さでしか面白さを理解しない人たちには
この映画の凄さは伝わらず退屈なばかりかも知れないが、
もしもセンスが理解できると思う人たなら
自分を試す意味でも挑戦(鑑賞)すべき作品だ、、、

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風貌、お辞儀、団体、、、日本人はいつも笑われる対象だった
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不条理的な、ブニュエル的な、、、面白さ
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ただただ、圧巻、、、
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奥のビルディングさえもセットなんだぞぉ、、、狂気

この街も、建造物も、
街ごとオープンセットって、
ハリウッドではないんだぞ
60年代のフランスでのことだぞ、、、アメージング!アンビリーバブル!