「映画、映画って言うけど、テレビドラマと、どう違うっていうの?」って、いう人がいる
台本に沿って俳優が演じ、監督が指示した通りに動き、撮影され、音楽が付け加えられる
「物語のある映像、動画、そういう意味では映画もテレビドラマも同じだろう」と言う
「まるで映画よりテレビが劣るような見下したようなイメージだけど、同じだろう」と言う
それに対してボクは答えた、、、
映画とテレビの制作過程や技術的なことではなく
本質的な違いについて答えた
まず重要な違いは
誰が金を払っているか?
そして、必然的に金を払う目的がある
テレビドラマは
スポンサーが金を払い自社の広告を不特定多数の人に観てもらうため
テレビ局は視聴率を上げることを目的に番組を作る
映画はテレビの茶の間と違い
観客が金を払う、自分が望むような作品を目当てに
積極的に作品をみることになる
このことが最初に知るべき大切な違い
そして
テレビドラマより映画が必ずしも立派とは言いきれないけど
しかしね、明らかに映画とテレビドラマは違うのだとは言えるよ
それは
これもよく尋ねられるのだけど、
ホットケーキとパンケーキの違いほどかもしれないが、違うものなのだよ
何が違うって
明らかに映画とテレビで違うのは「観客」だよ
映画館に来る「観客」と茶の間の「視聴者」の違いだね
映画の観客は、
映画館まで足を運び、金を払い、暗い室内でスクリーンに向き合うのだ
一方
テレビの視聴者は家に居て、タダで、自由な姿で、ときに食事をしながら、台所で料理をしながら、ときどきトイレにも立ち、映画のようにスクリーンに釘付けにはならない
集中力が違うのだよ
映画は目が離せない
ところがテレビドラマは
目を離すことも前提にされているんだよ
だからね
目を離してもストーリーが理解が出来るようにテレビドラマはセリフが多い
キッチンで料理をしながらでもストーリーが把握できるほどに作られているんだよ
でもね
最近は
ときどきテレビドラマのような映画があり
ときに映画のようなテレビドラマもある
これは映画を分かっていない人が映画を撮ってしまった結果であり
映画を愛する人がテレビドラマを作っていたりもするから起きる現象なんだよね
それでも分かってもらえない人に具体的な例を挙げるとしたら、
たとえば<ニーチェの馬>のような映画なら
台所からテレビの方に耳を傾けているだけでは
まったく物語を知ることは出来ないよね
まるで、音楽のCDを聴かされていると等しいことになってしまうね
同じように新藤兼人の<裸の島>もそうだし
だからね
決して<ニーチェの馬>のようなテレビドラマは作られないのだね
それが
映画とテレビドラマの違いなんだよね
茶の間と映画館の違い