ボクの苦手な「血」が流れる系ですが
お気に入りのブロガーさんのお薦めなので
この作品を観ました、、、
基本ヴァンパイヤものの映画です
しかし、日本ではヴァンパイアものは受けませんね
ヨーロッパでは盛んに作られますが
日本ではダメですね
そしてまず
タイトルがいけませんね
<ぼくのエリ 200歳の少女>
これでは
少年と少女の淡い恋物語ですね
たしかに
恋愛感情もあるでしょう
しかし
男女の恋愛を超越していますね
人と人
いや、人とヴァンパイヤ
もっというと、心と心のつながり
孤独と孤独ですね
男女とかヴァンパイヤとか超越してます
孤独な個と個の結びつきですね
それに
ヴァンパイヤは女性ではないのですね
ボカシが入っていましたが
どうやら男性性器を持っているようですね
「ボクは女の子ではない」という彼女のセリフも前にありました
(こういう物語を左右する大切な場面での「ボカシ」ってどうなんでしょうかねえ、映画配給会社そして映倫の抱える重要な問題ですよ!)
だからね
このタイトルはメチャクチャクなんですね
少女でもなければ、男女の恋愛物語でもないんですね
最初二人が出逢う場面で
男の子が「友達になってよ」と言いますね
しかし少女は(いや、男、いや、ヴァンパイヤ)は
「友達にはなれない」と答えますね
これがイイですね
友達になるってことは相手を信用しないと
本当の友達にはなれませんね
SNSのように簡単に友達を作るのは
それは本当の結びつきではないですからね
さあ「友達にはなれない」
ここから物語の始まりです
二人をそれぞれ問題を抱えています
男の子は「いじめ」
少女はバンパイアとしての「宿命」
互いに問題を抱えながらも
二人の距離は徐々に近づき
すべてはラストに結実するのです
友情の映画ですね
信頼の映画ですね
個と個との結びつきの映画です
ボクの大好きな<ヒアアフター>にも通じるものがあるなぁ
悲しい物語です
そして美しい
白、白、白を基調としながら
赤が加わる画が随所に出てきます
かなり意識的に作られています
それは雪だったり壁だったり肌だったりの「白」
そして様々な「赤」が加わっているけど
やはり「血」のイメージですね
それと少年の部屋の壁紙が
コウヨウの森なんですね
赤い紅葉ではありません
イチョウの黄葉ですね
大胆な壁紙です
青い若葉ではないんですね
新緑の森ではないんですね
悲しげですね
少年の生活のイメージ9ですね
そんな森に迷い込んでいるイメージなんですね
そこから壁を叩いて隣の部屋にモールス信号を送るんですね
助けを求めていますね
救いをもとめています
この映画がたとえ
ヴァンパイヤが彼の空想の産物であっても成立しますね
夢オチでも成立します
そうなると<ライフオブパイ>にも通じますね
最後いじめっ子を惨殺するのは
ヴァンパイヤではなく
少年自分自身であってもこの映画は成立します
でも
ヴァンパイヤはいますね
彼を救う「存在」は、必ず存在します、、、
バンパイアもののくくりであれば
ボクが今まで見た中で最も魅力的で、胸にくる映画でした、、、