たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/にあんちゃん

「埋もれがち」には2種類ある

いい作品なのに
あまり評価されていない作品

評価されているが
あまり観ることが出来ない作品

後者の場合
テレビで放映されることもなく
レンタルで借りることができない
しかし買うには高価すぎる
それ以前にソフト化されていない
そんな観ることがなかなか出来ない作品

名画座やミニシアターで
上映されることがあれば、それは幸運だ
幸運は逃してはいけない

姫田真佐久の特集をやっていたので
にあんちゃん>を観に行った

場内は年寄りばかり
若い観客はうちの息子だけ、、、

昔の名画座には
学生たちばかりが集まった

今の若い子たちは
旧作、名作、埋もれがちな傑作を観ないようだ、不運だ

それでいて
いっちょまえに映画を語っているから
若い人の言葉を借りれば「クソだ」

イメージ 1

ところで<にあんちゃん

当の今村昌平監督は
この自作に対して
「健全な映画を撮ったことを反省した」と語っている

あの今村らしい作家性を
抑えていることを後悔しているようだが
作品自体は素晴らしい
オーソドックスに物語を進め
数々のエピソードで引きづり込まれる

そんないつもと違う今村に対して
姫田の仕事ぶりはいつもと変わらない

やはり
どんな映画を撮っても「姫田は姫田だ」

ワイドな画角で
あるときは「ダイナミック」で
あるときは「美しい」
いつもの姫田だ

4兄姉妹弟は両親を亡く
金は無く、食も無く、家も無く
兄姉妹弟がたびたび離ればなれになり泣く
それでも逞しく生きていくしかなく、、、(ラップ調で)

労働争議在日朝鮮人が描かれるが
重く湿っぽく強調して描くのではなく
むしろ力強く、そしてサラリと描いているのがイイ

本作は
一番下の妹の10才の時の日記に基づいているそうだ

PS
ちなみに
にあんちゃん」とは「2番目の兄んちゃん」の意味

こいつが
ガッツがあって優しくて、すごくいいガキで

「将来ソフトバンクの社長になりました、チャンチャン」というオチならいいのになぁ
と、思った、、、