映研内の
もう一人の同学年はKO君だ
映画と本文はまった関わりがありません
彼は青いほどの真っ白な肌が印象的で
背はそこそこ高いが
細い身体ですごく病弱に見えた
彼は主に
ほとんど部室に現れない
のちに映画監督になる先輩H氏と行動を共にしていた
映研の連中を少しバカにしていたのか
H先輩と一緒に他校の生徒を出演させて映画を撮っていた
ときどきKOが撮影した作品を見せてもらったが
カメラワークに重点を置いた
キャメラポジションや構図にこだわった
真面目な映画だった
そういうヤツが
映研のふざけた映画を観れば
「なんだこりゃ、ハハハ」と笑ったが
バカにした笑いではなく
心底面白がっていたようにボクには見えた
そんなことから
いつも自分を押さえているように感じたし
陽と陰が常に裏表にあるような印象が彼だった
そんな彼、、、
学年でも
TOP5に入るほどの頭の良さで
東大を目指していたが
それは叶わなかった
卒業後一度だけ連絡を受け
原宿の歩行者天国で
<ウエストサイドストーリー>を演じるというので観に行ったが
その時が彼を見る最後だった、、、
数か月後
若干18歳の彼は服毒自殺を試み、還らぬ人となった、、、
制服の袖をまくって8ミリカメラを構え
ファインダーを覗いていた彼、
いったい彼は「何者」だったのか、、、