たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

食は映画なり/タンポポ

「食」に特化した映画
メインはラーメン

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昔昔
愛川欣也が司会で
今の<アド街っく天国>の前の番組が
<探検レストラン>という番組だった

なかなか面白い企画番組で
売れないラーメン屋(現存する荻窪春木屋)を
行列のできる店に立て直そうという企画があった

そのメンバーの中に伊丹十三がいたわけで
それを元に
<シェーン>風味に一手間かけたのが
この映画<タンポポ>だ

いつもの伊丹組の面々の中に混じって
若き日のハリウッドスター・ナベケンと
売れる前の役所広司が出ている

オムニバス形式のように
数々のエピソードが連なる中
ラーメン屋タンポポの物語が中心になる構成

もう30年以上も前の映画なので
どこか古臭さもあるが
それよりも食べ方などに気になる点が幾つかあった

たとえば
ラーメンを食べる時に器を手で持ち上げるのだが
(スープを飲み干す時はそれでもよいのだが)
熱いラーメンを手で持つなんて苦行のようだし
今はそのようにラーメンを食べている人を見かけない
今はレンゲでスープをすするのが一般的だが
この映画にレンゲは登場しない
食べ方さえも時代と共に変わるのかな?興味深い

生卵、牡蠣のエピソードは比喩的でエロティック
北京ダックの「鴨」と「カモ」はシャレ
たいめいけんのオムライス
(その後タンポポオムライスと呼ばれる)
仏蘭西料理店の平社員
乞食のグルメ王
スーパーの客
餅を喉につまらせる爺さん
イノシシの山芋の腸詰
臨終前の奥さん(お母さん)最後の料理
歯痛の男

どれも面白いのだが
最後のシーンで
お母さんが赤ちゃんに母乳を呑ませるシーン
人が最初に口にした御馳走!とも言いたげで
こういうのが洒落ている

伊丹は
どんなことも突き詰めるため
そもそも薀蓄、能書きが多く

ときに
やり過ぎやデフォルメが鼻につく

時に
演者にオーバーアクトを要求し
大袈裟な演出は娯楽映画だからこそ許されるが
ボクはイラつく


それもこれも
観客には
観やすく分かりやすくの
サービス精神からくるものと理解する

PS
伊丹十三監督との思い出

狸穴にあった伊丹さんの事務所を訪れたことがある
そのときお会いした時に
ボクは失礼にも<マルサの女>のことでチャチャを入れると
面白がるように「へぇ、そう」と言いながら
その時のふわっとした笑顔が凄く優しくて印象的だった、、、

その後ずいぶん経って
息子さんと話す機会があり
そのことを告げると
「ニコニコしていた監督(父親のこと)の笑顔を思い出します」と言っていた

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