たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/マイノリティリポート

イーストウッドの代表作を<ヒアアフター>という人はいない
<魅せられて>をベルトルッチの代表作という人もいなければ
スコセッシの作品群から<ヒューゴの不思議な発明>の名を口にする人もいない
キューブリックでは<ロリータ>
ワイルダーでは<地獄の英雄>
タランティーノで<ジャッキーブラウン>
コッポラで<ワンフロムザハート>を
代表作にあげる人も
恐らく誰もいない

というか
イの一番に口にするのは
おそらくボクだけ

それぞれの監督の
決して代表作とは呼ばれない
まさしく「埋もれている」
愛しい傑作たち

タイトルを眺めているだけで
ニコニコしてしまう

好きなアイドルを
まるで独占でもしたような
自分だけの傑作たちを眺めて
「自分だけだろうなぁ、こういうチョイスするのは、、、」と
悦に浸る

それが
「埋もれがちな傑作」

そして
今回
<マイノリティリポート>を
スピルバーグの数々の作品から
あえて傑作というのも
ボクだけかもしれない

しかし
これは2000年以降のスピ作品の中では
確実に上位に位置すると考える

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2016年
現実の未来の世界に存在する我々が
2000年以前のSFを見て
『実際とかなり違うな』と感じることは多かった

それまでの映画の中では
たとえば
電子機器の表示盤やスイッチ類が
非常にアナログなデザインで
未来の先端技術というよりも
町工場の装置のように見えたりする

デジタルという概念は昔もあったはずなのに
映画の中では
デジタルを具現化できていなかったのだ

(昔に比べて)未来の今に居ても
SFっぽい
今の私たちから見るリアルなSFが
この映画の中にある

もちろん
スピルバーグというよりも
原作者のフィリップKディック
ブレードランナーの原作でもある
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?>の作者に負うところが大きい
映画化にあたっては大胆にプロットが変更され
実際にそれを映像化したのはスピなので
スピルバーグのクリエイティビリティと演出力を称えるべきだ

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未知との遭遇>や<A.I.>といった
素晴らしい作品を残してきたスピ
これこそ
彼のワークで最高のSFの1本だ