キレイな小さな丘を男が降りてくる
道に向って歩いてくる
キャメラはずっとロングテイクで
木の陰から男の様子を見守る
パチーノのカットが挟まれる
パチーノはハックマンに興味があるが
ハックマンは眼中にない
パチーノがいろいろちょっかいを出すが
ハックマンは相手にしない
長く長く続くファーストシーンは
タバコに火を貸す場面で閉じる
男と男の出会い
運命の出会い
そして
物語の始まり
傑作ロードムービ
男の友情を描いた傑作
しかし
淀川長治さんは言った
友情の物語ではないと
「愛情」なんだと
男と男の「恋愛映画」なのだと
ゲイの映画なのだと
淀川さんの言葉だからこそ重い
その筋の人でなければ理解できないことだからだ
この出会いのファーストシーンが
まさしく
恋愛映画の運命の出会いのシーンだと云われれば
そのように見える