アガサクリスティの
ミステリーの傑作といわれる
短編小説であり戯曲
<検察側の証人>を原作とする
ビリーワイルダー
の
<情婦>
ヒッチ的な撮影技法も
原作ものは原作をなぞるだけでなく
さらに映画的に作り上げるべきだが
「原作ものはこうあるべき」と示してくれたのが
この作品のワイルダーだ
むしろ
天下のアガサクリスティの原作を上回っている
原作を盛って盛って
膨らませて厚みをもたせている
なにげない中に美術もイイ
パロディやシャレも交えて
完璧な完璧な脚本
さすがワイルダー
何度見ても
何度もドンデン返えす結末が分かっていても
それでも面白い
大根役者ながらレジェンドなタイロンパワーがこの作品では巧い
ただ
<情婦>という題名は頂けない
こればかりは
ワイルダーのせいではない
夫婦共演、夫婦揃ってオスカーノミネート
デートリッヒのドヤ顔