以前
大阪の先輩(友人)に
自分と初めて会った時の印象を訊いたら
「ほんまけったいなヤツっちゃなぁ思ったで」と言われ
なんか嬉しいような気分になったけど
実のところ
「けったい」の意味がよく判らなかったので尋ねた
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・
・
けったいな人
映画史上最高の不思議くん
ルイスブニュエル
の
だいたいこのポスターからしてナメてるよね
自分が最も好きなブニュエル作品は
<忘れられた人々>
そんな立派な
素晴らしい名作も作れば
こんな
お馬鹿な作品も作る
シュールはシュールなんだけど
シュールっていうと聞こえは良いが
ほんとうに
かわった人、ヘンな人
たとえば
<哀しみのトリスターナ>なんて
トリュフォーあたりが撮れば
いたってまともな作品に仕上がるのに
この人だと
なんかヘンテコになっちゃうんだよね
(それが魅力だけど)
アングルもユルユルだし
へんなところでズーム使うし
中途半端な移動したり
ヘンなテンポだったり
「間=タイミング」が悪くて
観ているこっちがズッコケることは度々だし
『ここでカットだろ』と思う場面で
何故か意味なく地面映したり
それも全て狙ってやっているから
ふざけ過ぎなんだよね
映像で見せるとか
ストーリーを語るとかではなく
「状況」を見せて楽しんでるとしか思えない
一種「演劇」にも似てるだけど
そうでもない
むしろ
コントみたいなもんだから
『意味があるのかな?』と思うようなシーンが
いっぱい出てくる
が
深く読み取れない
というか
たぶん
まったく意味がない
むしろ
真剣に考えると
ブニュエルに笑われる
そういう人
だから
こっちの方こそ
ブニュエルを笑うべきなのだ
この作品で言えば
ヘンなエピソードの積み重ね
とにかく食事のシーンが多いのだけど
「さあ食事を始めよう」となると
かならず訪問者なり邪魔が入る
最初は神妙に観ている
が
それが続くから
笑う
コメディでないはずなのに
とにかく
笑う
「バカだなぁ」思いながら
笑っちゃう
「キリストが嫌いです」っていうおばちゃんが出て来たら
神父さんが「それではあとでお話ししましょう」っていうのに
とーとー最後までその話は出てこない
なんやねーん
ほんとほんと
ブニュエルって
けったいな人
真剣に考えたらノイローゼになっちゃうから
真剣に観ない方が良い
ほとんどの人が困惑するだろうね
それが多分カレの狙い
ハマる人は
面白がってハマっちゃう
とにかく
面白がろう
リラックスして笑おう
ハ ハ ハ
Gメンかっ!丹波哲郎かい!