たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/インテリア

私には持論がある
結婚生活がうまくいかない理由は
性格の不一致ではない

性格なんて
ドンピシャ一致していたら
むしろ気味が悪い

好みの不一致
とくにインテリアのタイプの不一致は
絶望的な不仲を招くと確信している

カーテンの好みが重要
(もしくは床の好みが違ったら)
結婚生活は
苦いものとなるだろう

イメージ 1


ウディアレンの作品群の中でも
とっつきにくくファンでも敬遠しがちな作品が
インテリアだ

でも
ボクは好き

初めてこの映画が公開された頃は
イングマールアレン」などと揶揄されたそうだ

たしかに
前半の雰囲気は「ベルインマン」
とくに
<仮面・ペルソナ>のような
ベルインマン風をかなり意識しているのは否定できない

一番気を引くのは登場人物たちの衣装
主要登場人物の衣装はベージュを基本にした落ち着いたもの
インテリジェントを感じるスタイルだ

登場するいくつかの部屋のインテリアは
無機質、感情のない、生活感のないもの

そこで暮らしてきた家族たち
母の支配を感じる

次女が
ベルインマンの<仮面・ペルソナ>のように
母との「対」になっている

物語は進み
突如
「赤」が登場する
そこに馴染まない「赤い」ドレスの登場
物語のトーンを変調させる
違和感、拒否感
だが
徐々に受けいれていく家族たち

しかし
ペルソナ2名はそうはいかない
 
教会の祭壇に並んだ
赤いロウソクを倒す

海の荒波
荒れ狂う波の中にに消える
そして
ペルソナの片方を救う「赤」

葬儀のあと
海辺の家から
穏やかになった海を見つめる
三姉妹の姿が印象的なラストだ


<仮面/ペルソナ>では
白と黒の衣装(帽子など)で
主人公二人の感情を表現していた
白:白/白:黒/黒:白/黒:黒

浜辺を
Dキートン(長女)と三女が歩く移動撮影は
まさしく「仮面・ペルソナ」だ

撮影はゴードンウィリス
ゴッドファーザー全編とアレンの多くの作品に関わった