最初、茶道のHOW TOモノなのかと疑って、馬鹿にして観始めが、素晴らしい映画だった、、、
一人の女性の24年間を茶道を通して「美」を知る物語、、、美について仰々しく描くのではなく、その空気感と時間の経過で語る、、、形からくる「美」、静から感じる「美」、四季の美しさから受ける「美」、音から受ける「美」、美を感じ、美を眺める、五感で感じ、精神により感じ、そこから感性が磨かれる、そしてその人自身も美しく見えるようになる、、、
どういう動作が美しいものか、美を求めた結果それが形になって辿り着いたのが茶道なのだろう、、、理屈はいらない、形から入る、「考えるのをやめなさい、自然に手が動く」、、、Don’tThink,Fee~lだね、、、「手が知っている、手を信じなさい」、、、スポーツ競技や何かしらのコンクールや発表会などで緊張して身体が動かないというのは、まだまだ練習が足らないということだよね、しっかり練習していれば緊張する中でも自然と身体は動くもの、みたいな、、、
「世の中にはすぐに分かるものと、すぐには分からないものがある」「すぐに分かるものは一度通り過ぎればそれでいい、しかし分からないものは長く時間をかけて少しづつやらないと分からない」奥の深いもの、本物ってことだよね、上辺でなく、心底理解するには時間を要するのだよね、、、この主人公、フェリーニの映画に置き換えて「<道>って映画を子供の頃みたときまったく分からないでつまらなかったけど、大人になって観返すと涙がこぼれる」、、、映画も数だからね、観て観て観て、たとえそれがB級映画やオカルト映画であっても半端なく映画を観続ければフェリーニだってベルイマンだってアントニオーニだってブニュエルだってその良さが理解できるようになるはず、、、「お湯が『とろとろ』聞こえる、水は『きらきら』感じる」、、、極めた時に極めた人だけが知る感性だね、、、
日日是好日「毎日が良い日」たとえ雨が降ろうが雪が降ろうと、五感で美を感じれば、心は満たされるはず、(ボクみたいに)心に余裕のない人々にとってはとても難しいことだが、、、同じことの繰り返しを「同じことが出来る幸福と感じるようになりました」と、、、そうだね、病気や災害に見舞われたらいつもと同じことが出来なくなるからね、毎日が同じって幸福なことなんだね、、、あ、〈パーフェクトデイズ〉、、、そう、戦争と大災害のない生活、それ以上何を望むのか、、、
庭から聞こえてくる水の音、梅雨の雨音は秋雨とは違う、夏には夏の、冬には冬のお茶の入れ方がある、、、
とてもとても深い作品でした、、、もっと早く観ておくべきだった、、、素晴らしい