たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/バビロン_Babylon

バビロン(2022)の上映スケジュール・映画情報|映画の時間

 

あらすじ

ハリウッド黄金期の1920年代を通して、映画がサイレントからトーキーに変わって発展してゆく時代において、ハリウッドの大スター、スターを夢見る田舎娘、同じく映画産業に身を置きたいと夢見るメキシコ人青年、黒人トランペット奏者、アジア人の字幕係兼アーティスト、今の時代に通じるポリコレ、LGBTなどの件も絡めて描く彼らの末路、、、

 

公開前からチャゼルの新作ってことだけでアカデミー賞の最有力候補と言われながら、公開後は総スカンを喰らいケチョンケチョンに叩かれた挙句、とうとうアカデミー作品賞の候補にすら挙がらなかったごっつぅ評判の悪い<バビロン>を鑑賞した、、、で、ボクの感想、、、すっげえーいいなコレ!めちゃくちゃオモロいやーん!めちゃくちゃイイじゃん!、、、とにかく何がいいって映画の歴史に対するリスペクトに溢れている!、、、数年前にタラが<OUATIH>である一時期の愛すべきハリウッドを描き、今年日本公開の<フェイブルマンズ>ではスピが個人的な映画史を描いたが、チャゼルはハリウッドの黄金時代と、サイレントからトーキーに移行する過渡期(であり映画発展期)を描いた、、、ときどき「なんの映画にも影響を受けてない」と天才ぶる監督がいるけど、今ある全ての映画は過去の映画から学んで成り立っているんだってことも知らない大バカ野郎だ、、、

 

それにしてもボクはチャゼルをスピルバーグに重ねてリアルタイムで観ているんだ、作風も撮るジャンルも違うけど溢れる才能を若い頃から開花させてハリウッドを引っ張る姿に過去のスピの姿をチャゼルに重ね、未来の彼の想像もつかない偉大なキャリアに想いを馳せるのだ、、、

 

チャゼルはいつも「音楽」を重視し、「夢追い人」を描き、「色」にこだわり、映画をとことん愛している、、、キャメラの色調がいい、色づかいが綺麗、シーンごとにキーになる色味を選択し成功しているし、兎に角それにはライティングがいい、キャメラはチャゼルの右腕リヌスサンドグレン、だからめちゃくちゃカッコイイし、いくつか必要のないと思われるシーンもあると感じるかもしれないがボクはこの映画の全てを肯定する、大好きだ、、、

 

冒頭30分の多くの時間を費やしたパーティの乱痴気騒ぎ、異常な「ハリウッドバビロン」の世界を映像化している、、、ドラッグばかりのせいでなく映画創世記の人々はナチュラルハイだったのかもしれない、、、

 

トーキー移行期の撮影の苦労、それはやがてカラー映画へと続く、映画人気の移り変わり、、、「抗えない」自分ではどうしようもないこと、大衆が決めること、それが映画の評価であり、スターの宿命である、しかしたとえピークが過ぎたとしても永遠にその存在は残り未来の誰かに観られる、それが映画人のかけがえのない喜び、、、

 

けちょんけちょん言われる本作だが、そのうちこの映画の良さは理解され、きっと2、30年後には再評価されると思うよ、、、

 

4.5点(オレはこの映画が大好きだーーー!)

チャゼルが考える映画史上の重要な作品50本弱が本編最後に流れるが、そのうちの1カットに日本映画らしきものが映っていた、最初<二十四の瞳>かなと思ったがそうでもなさそうだ、、、なんだろう?