たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/ボストン市庁舎

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その年のカイエで1位、キネ旬で2位

対象を追って自分の結論に観客を導こうとするマイケルムーアのようなドキュメンタリーとは違い、ありのままを映して観客に委ねるのが記録映画の神様フラハティを継承する記録映画の巨匠フレデリックワイズマン(92歳)、そのワイズマンの昨年公開作品<ボストン市庁舎>を観た、、、

 

ワイズマンは地味に目立つことはないが、イーストウッド(同じく92歳)と同じようなキャリアだ、、、記録映画と一般映画の違いはあれど、どちらも決してイデオロギーが反映されず、ヒステリックにならず物事を冷静な眼で見据えるところも同じだ、、、

 

自らもアイルランド移民で、アルコール中毒の過去を持つ市長は移民で成りたつ街を「多様性」という言葉で一つにまとめる、、、郷愁漂う古い街並みと近代的な建築物が混在しながらも融合するボストンという街、その街並みの姿はそのままボストンの人々の姿やボストンを支える理念「多様性」と一致するようにみえる、、、

 

たいがいドキュメンタリー映画というと告発すようなものが多いが、まるで自然の風景を撮るように市庁舎で働く人々の姿を捉える、、、財政、医療、治安、住宅、雇用、港湾、防災、衛生、気候変動、消防、警察、ホームレス、ジェンダー、教育、差別、障害者、麻薬、結婚、レッドソックス、墓地、ゴミ、経済、歴史、貧困、食料問題、道路整備、公園、駐車違反、人種、カルチャー、退役軍人、ネズミ駆除、保護犬(猫)、、、

 

日本の無表情で事務的な行政に比べ

人間味のあるボストン市庁舎

 

人々は頑張って働き

全米のたった一つの市に過ぎない街から

国を変えられると信じて疑わない、、、

 

4時間32分の長尺だが何気に見入ってしまった、、、

 

3.5☺