たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/ウエストサイドストーリー

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まずは、、、スゲエ~良かった~

 

ゴッドファーザー>はシリーズもので唯一続編もオスカーで作品賞を獲得したが、リメイクもので旧作と新作が共にオスカーを獲得した作品はいまだかつてない(リメイク版だけに限れば<ディパーデッド>などがあり)、、、スピの<WSストーリー>はそんな快挙が起こり得ると予感させるほどの出来栄えだった、、、

 

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ネタ不足のため、過去の作品のリメイクはとめどないが、『スピまでも!』と、、、はじめてスピが<ウエストサイド物語>を再映画化すると知った時の感想だ、、、それにしても手を付けてほしくない作品というものもある、その筆頭が<WSS>であるのに、しかもスピが手を出したことへの衝撃というか、怒りさえ沸き上がった、何しとんねん!、、、それでも観ないわけにはいかない、スピ作品は全作品鑑賞しているのだから観るのはむしろ義務、、、

 

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それでもやはり、これはロバートワイズの<WS物語>を下敷きにしたリノベーションであるのは事実、、いったいロバートワイズ版なしで初めて映画化するとしたら、こういうものを作れたのだろうか?

 

それでもスピなりに自分らしさを幾つも見せてくれる、赤を基調にしたビビットなカラーが強烈な印象の旧作<WS物語>に対して、スピは銀のこしを多用して自分らしさをアピールした、、、フィルムで撮ったのは大正解だ、できればI-MAXで観たかったが、それだけが悔いの残るところだ、、、

 

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ただね、冒頭のジェッツとシャークスの喧嘩を止める入る刑事のシーン、傷ついた少年の耳に釘、、、スピの心の闇、旧作ではなかったこういうことをやる、、、スピが人体損傷癖があると言われるているのは、こういうことをするからだ、、、

 

リノモレノに新しい役を用意するだけでなく、悲しみは空の彼方に>や<ロミオとジュリエット>のカット割りや構図を引用する、スコと同様スピも過去に影響を受けた映画に対するリスペクトを感じる、、、

 

プエルトリコ語を多用するのは旧作ではなかった、、、<WS物語>の名作ナンバー「クール」には手を付けず、まったく設定の違うシーンでやるのもリスペクトの表われ、、、あくまでも旧作に対抗しようという意志はない、手を付けないものには手を付けない、、、ここらもスピの旧作へのリスペクトを感じる、、、

 

旧作<WS物語>と比べながらスピ版<WSストーリー>を観ていたが、全体的には旧作はどうしても古臭く感じてしまうが、どちらも上回る場面を交互に持っている、、、パフォーマンスと構図で動きを感じた<WS物語>に対して、新作<WSストーリー>はキャメラも縦横無尽に動き回りパフォーマンスと共に躍動する、、、同じ作品を基にしながらもキャメラによって時代を感じる、これはスピがこの映画を再映画した最も意義あることではないだろうか、、、

 

屋外シーンの印象的な旧作だが、実はその多くがスタジオだ、、、しかし当時では珍しいNYの街中でのダンスシーンは本物の強み、<WSストーリー>ではオープンセットは致し方ない、、、それでもアクションシーンの演出を得意とするスピはダンスシーンも巧くまとめてスピ色を出している、、、今まで<1941>や<<インディージョーンズ魔宮の伝説>でミュージカルシーンは撮っているが、本格的なミュージカル映画を撮るのが初めてとは思えないさすが職人監督だ、、、

 

クロージングクレジットのタイトルは実は旧作<WS物語>がめちゃくちゃカッコいいのだが、ここはスピもセンスの良さをアピールしようと対抗意識を感じた、、、それでもワイズのクレジットタイトルの方がボクは好きだ、、、

 

最後に編集が凄く良いのだが、オスカーの候補には選ばれていないのが不思議で仕方ない、、、どこに目付けとんねん!

 

ワイズの旧作も、スピの新作も甲乙つけがたいほど素晴らしいが、ブロードウェイミュージカルをスタジオに頼るハリウッドでなく、その多くのシーンを生のNYで撮った意義と意味において再びロバートワイズの功績を思った、、、

 

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ここの二人が意識して近づいていくシークエンスでの移動撮影とカット割りが絶妙、、、キャメラの動きが良いだけでなく、フォーカスされた主人公の手前と後方で動く演者の動きがいいのだ、、、なるほどなぁ、、、

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こういう色調は旧作ではみられなかった、、、

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しかし、パンフレットが3000円って、なんなん、、、