数日前に観たときはかなり酔っぱらってもいたので、あらためて見てみた、、、酔いもあるだろうが、そもそもカンピオンがあまり好きではないので鑑賞前からボクの中に偏見みたいなものがあったのかもしれない、二度目の鑑賞後には「良い映画だ!」と唸った、、、
「普通の人には見えない物が、見える人には見える」
この映画を一言で言えば、そういうこと、、、ボクこそ偏見で、それが見えていなかった、、、そして、本当の強さとは、、、「死んだ父が僕のことを冷たい人間だと言ってました。強い男だと言ってました」と言うと、主人公は驚いた表情でナヨナヨしている青年を見ながら「それは間違いだよ」と言う、ところがこの主人公こそ青年の本質が見えていなかった、、、
娯楽要素は全くない西部劇、もちろんドンパチもない、、、複雑で繊細な心理ドラマ、、、そして、ボクの大好きな三島由紀夫の「午後の曳航」を監督はかなり意識してモチーフにしていると感じた、、、
基本的には、あの胸くそ悪いカンピオン映画<ピアノレッスン>から踏襲されている「偏見」「不寛容」「排他、排除」、構成まで踏襲して物語は構成されている、、、エピソードごとに章に分かれているが、その章ごとのエンディングを必ずネガティブな幕引きで〆ている、、、
「剣と犬の力から私の魂を解放したまえ」、、、聖書の言葉なのだろうけど(あれ、これ何処かでも聞いたことあるなぁ)、宗教的なニュアンスはなく、この映画のテーマそのものがこの言葉の中にある、、、
アカデミー賞では確実に主演男優賞、助演女優賞、そして助演男優賞は2人がノミネートされると思う、、、そうでなければおかしいと思えるほど、演技陣が素晴らしい仕事をしている、、、
兄から「お前のそのブサイくな顔を鏡で見てみろよ、女から惚れられる顔か?金目当てなのが分からないのか?」、、、そんなシーンの前にこんなシーンがある、妻になった女が草原で男に踊りを教える、しばらくして男は後ろを向いてしまう、そして涙を流す、悲しみの涙ではない、好きな女性と幸福な一瞬を感じた男の涙だ、、、クゥ~
4☺