東京フィルメックス上映作品群でも人気のあった作品だったので鑑賞した、インドネシア映画＜ユニ/Yuni＞、、、イスラム圏の女性と接する機会もなかったし、詳しく知る機会もあまりない、、、インドネシアはタリバンほどではないけど、やはりそれなりに女性を軽視した社会構造だ、、、
高校では抜き打ちの「処女検査」が行われ、非処女は不良扱いされ、将来も明るくない、、、主人公の17才の少女ユニは貧しい家庭ながら学業も優秀で密かに奨学金で大学に行こうと企んでいるが親には話せないでいる、、、家族は「ユニはもう大人だから早く嫁に行け」と望んでいる、、、ユニはモテキで、まず近所の話したこともない若者に求婚される、求婚は本人にではなく家族に告げられる、求婚されたら受けるのが通常だ、それが神の望みなのだから、しかしユニは本人に断りを入れる、、、つぎに近所でプールも経営しているオジサンに求婚される、大金を持って求婚に来て、「その金でバイクを買い替え、アクセサリーで着飾り、家をリフォームすればいい」と言う、結婚して処女であることが証明されれば更に倍の金を贈呈するという、、、ユニは近所の同級生が自分のことを好きなのを気付いている、男を誘ってセックスを求める、ジジイに処女を捧げるくらいなら、自分の意志で相手を選びたいと考えたのだ、しかし、挿入寸前に男は拒否する、その責任の重みを感じているのだろう、、、ユニはオジサンを訪ね、私はもう処女でないと言って縁談を断る、、、二度も求婚を断れば縁起が悪いバチが当たると周囲から言われるが、次に、憧れていた先生から求婚される、、、しかし、その前日に先生が女装しているところをユニは目撃してしていた、、、おそらく自分の性癖を隠すための偽装結婚なのだろう、とうとうユニは先生からの求婚を受け入れて結婚式が始まろうとしていた、、、
70年代のグローイングアップもののようでもあり、結ばれない悲恋もののようである、、、紫色の好きなユニは紫の色のスクーターに乗り、友だちの紫色の物を盗んだり、常に紫色の物を身に着けていたりする、、、ほとんどのショットに紫色が映りこんでいる、、、
オープニングのタイトルクレジットでずっと水の音がしている、何の音なのかと思ったら、シャワーから戻った女の子の尻が映る、シャワーを浴びていたのだと知る、、、、音だけ聴かせ凌いだのはイスラム社会ではそれが限界なのだろうか、尻は映ったが、、、でも巧いオープニングだった、、、
イスラム圏の女性には窮屈な社会、インドネシアでこれなのだから中東はかなり厳しいと同情せずにはいられない、、、女性への尊厳が軽薄な中でもがき苦しみながら自分の意志を貫くユニの姿に心を奪われる、、、
3☺
