たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/茜色に焼かれる

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どうやら今年のアカデミー賞国際映画賞(外国語映画部門)の日本代表には<ドライブマイカー>が選出されたようだが、日本で一番早い映画賞「報知映画賞」では<茜色に焼かれる>がもっともノミネート数が多いそうだ、、、

第46回報知映画賞ノミネート決定 - 産経ニュース (sankei.com)

しかし、この報知映画賞、<ドライブマイカー>の岡田将生の名前が見当たらない、あり得ない!そんでもって本作のオダギリジョーなんか尺にしたら最初の2分くらい、あとはずっと遺影として登場、過去の場面で出てくるのかと思ったら、とうとう最後まで登場せず、それでもクレジットは二番目、そして報知映画賞では「助演男優賞」候補って!何を見て、誰が候補を選んでいるのか!候補者の選者はアホか?

 

池袋の自動車事故をモチーフにそこから始まって次々と不幸に襲われる、事故、息子のいじめ問題、リストラ、風俗、コロナ、介護、慰謝料、新興宗教、放火被害、惨めな恋、さまざまな事柄が主人公につきまとい、生活のためお金のために風俗で働いている、、、それでも彼女の口癖は「ま、がんばりましょう」、、、<嫌われ松子の一生>のアプローチの違う版といえば、本作を観ていない人にも伝わるのではないか、、、

 

尾野真千子が体当たり演技で熱演している、「体当たり」と宣伝文句が付けば日本では女優が裸や過激な描写に挑んだことを示すが、今回の尾野の場合もその類から漏れない、、、思えば<萌の朱雀>で河瀨直美によって見出された田舎の女子高生もこんなに大人になりました、、、風俗嬢役では「もっと若い子いないのかよ」と客から罵られるようなお年になった、、、

 

「ルールを守らないと生きていけない」と言いながら社会の閉塞感に苦しむ、コンプライアンス病!社会に心がないのだ!、、、そして「ルールに裏切られた!」「棄てる物もらって何が悪い!」と嘆く、、、神を信じても、バチが当たったような人生を送るのがこの世の慣わしなのだ、、、

 

なんで「茜色に焼かれる」というタイトルなのかと思っていたら、ラストでそれが判る、、、「生きる理由がなくなること」

 

あれほど70年代は「リアルリアル」と映画馬鹿たちが叫んでいたのに、現代ではウソでもいいから加工しても人工的でもいいからドラマチックな画作りが優先されるようだ、、、ラスト近くの親子で自転車に乗り土手を走る監督思い入れたっぷりのシーンのこと、、、

 

コロナ禍を意識してマスクを着用させる場面も時々あるが、どうも中途半端な使い方で、それならばマスクはいらなかったような気がする、マスクを使うと決めたなら徹底的に本気で臨むべき、、、

 

ラストのアングラ芝居風の母ちゃんの一人芝居での〆は良いねえ!

 

3.5☺

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