たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画一言二言/スウィートホーム

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黒沢清のメジャーデビュー作(東宝)でありながら、その後、伊丹十三(伊丹プロ)とモメて裁判沙汰まで発展(ソフト化の著作権及びテレビ放映の際の編集権)、そんな訳アリで長いこと地の底に埋もれたまま(当時一時的に販売されたビデオ並びにLDの絶版、DVDソフト化もされず)の<スウィートホーム>をやっと観た、、、なかなか面白かったので、埋もれたままなのが心底惜しい、、、

 

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せっかくメジャーデビューしながら、活躍の場は<CURE>が評判となるまで主にVシネマ、、、キャリアが勿体ないと思う一方で、撮れれば「何でもいい」と、前向きに撮ることに貪欲になった時期を過ごしたことが、今の黒沢清を造ったようにも感じる、、、

 

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ポルターガイスト>のイメージなのか、同じ20代で監督デビューしたので、当時は黒沢を「日本のスピルバーグ」と呼ばれていた記憶がある、、、この作品の中に登場する伊丹十三を<JAWS>のロバートショーに重ねることも可能だ、、、しかし、なによりも、当時は「強い女性」が主人公の映画の全盛期、<エイリアン2>の母性、女VS女、母VS母を念頭に撮られたことは明らかだ、、、そして、強さを象徴する男が、ラストまでタンスに隠れていたオチで締めくくる、、、

 

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しかしね、これを観ると、日本の映画界で絶対的な神的存在である蓮實御大の顔が浮かばずにはおられないのだ、、、立教大学で映画を教えた蓮實氏の愛弟子たちの一人が黒沢清で、伊丹十三も教え子の一人ではあるが、蓮實が可愛がった優秀な弟子が黒沢で、それに嫉妬し蓮實氏から評価を得られない伊丹といった構図、、、そんな怨念がこの映画には棲みついているように、どうしても感じてしまうのだ、、、

 

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