ソフトが高価だったりで、なかなか辿り着けなっかた映画<トムジョーンズの華麗な冒険>がやっとメディア化され(U-NEXT配信)、とうとう観ることができた、、、長いことアカデミー作品賞受賞作で唯一観れていなかったので、これで作品賞受賞作94作品すべてを鑑賞済みとなった、、、
いい加減で、だらしないが、出会う女全てから愛される、モテ男、、、どこか憎めず、心ある人々のハートを掴む男、、、<バリーリンドン>のライアンオニールを持ち出して比べる人もいるようだが、バリーリンドンは上昇志向の成り上り願望の強い「出世欲」なのに対して、トムには欲がなく、せいぜい「性欲」くらいだ、、、
当時としては新しい感覚で、軽快にコミカルに描かれている、当時リチャードレスターを代表とする英国式スラプスティックなコメディも意識している、、、
観られなかった間に、様々なレビューでチェックしていたので、だいたいこんな感じであるとは思っていたとおりで、期待以上でも期待外れでもなかった、、、ただね、この年はエリアカザンの傑作<アメリカアメリカ>も候補になっていたので、オスカーに相応しいほどの作品かは多少疑問が残る、、、米国人は移民の苦労話しよりも、華麗な英国モノには0.5ポイント、いや1ポイント以上のアドバンテージを与える傾向があるので、その最たるサンプルとなったと感じる、、、、
とはいっても、そこそこ面白く飽きることはない、、、とくにセックス(愛撫)を連想させる食事のシーンと鹿狩りのシーンは印象が強い、、、狩りのシーンでは低空で狩りを追うキャメラがヘリなのか?セスナなのか?見当がつかないほど高速で低空だ、、、地上での移動撮影のスピードも目を見張る、そういう点ではハワードホークスの<ハタリ>を超えているかもしれない、、、
しかしながら、華麗なる「衣食住」映画でありながら、狩りは野蛮そのもの、それを生きるためでなく娯楽として興じている、、、結局、衣食住が満ち足りていると、そして大した娯楽のない地では、野蛮という概念よりも「楽しい」が優先されるのだろう、、、
あ、あと、これは時々映画で見掛けることなんだけど、妊婦がお腹ばかり大きくなるけど、顔とか体つきは変わらず細かったりすると、それなりに立派な映画つくりしているんだったら、そこらへんもキチンとしてほしいと思うのだ、デニーロアプローチ!