気になってはいたが10年間観ることのなかった<キッズオールライト>を今頃ではあるが観てみた、、、とにかく脚本がいい、良すぎる、最初から最後まで引き込まれたまま終わった、、、
「起」
レズビアン夫婦とそれぞれが一人づつ産んだ子供たち(1女1男)は、世間的には風変わりであるが幸福な家族だった、、、姉が大学に進学する間際に弟に頼まれ精子提供者(ふたりの精子提供者は同じ)を探し会うことになった「これからが大学に入ろうって時に面倒を起こしたくないのよ」と最初は乗り気でなかった姉だが、その心配の通り物語は面倒なことになっていく、、、
「承」
最初、精子提供者の男の第一印象はとても良く、男はこの家族の中に好意的に迎えられる、、、ここで考える、もしもね、最初からこの男が父親としてこの家庭にいたらどうだったろうか?と、男と女、父と子、別の物語、、、今まで別の道を歩んだから互いに優しく接しられるのではないかと、、、
「転」
想像できる幾つかの着地点を予測しながら、物語は進んでいくが、片方の母親が男を「侵入者」だと拒否しだす、平穏な家庭に不幸をもたらす「破壊者」と呼んでもいい、、、はたして物語はハッピーエンディングなのか?そうではないのか?
「結」
最後に物語は、(伏字/カーソルでなぞると見られます→)男を置き去りにし(末路を描かないの意味)、家族は再生するのだが、あと10年した頃のこの家族の未来を覗いてみたい願望に駆られながら物語は幕を引く、、、
こういう時のクローズアップは活きるなってタイミングで使ったり、こういう時に音はいらないなぁってタイミングで音を使わない、そういうテクニックはある監督だけど、ただね、映画的な挑戦や画作りに心を割かず、テレビドラマとしてでも良いような、どうしても映画であるべきスタンスに欠けてはいる、、、それが、映画であるべき説得力があったなら、きっと「埋もれがちな傑作」に仲間入りしたと思う、、、
いわゆる「普通」の家族では様々な問題が起こるけど、この家族は本当に素晴らしい家族、、、って、ことが、この映画の出発点であり、結論なんだよね、何も変わらない、むしろ「普通」より心の通う家族なんだって「LGBT」礼賛な映画なわけだ、、、
他の俳優を充てるならブラッドリークーパーだろうな、このお父ちゃん、、、
昔なら、キャンディスバーゲンとダイアンキートンが相応しい、、、