可愛い妻がありながら、未亡人と不倫を続け、不倫は認めるように、なんならキミも不倫してもいいよと言うような男、、、まるで成瀬映画に必ず登場するダメ男、森雅之にやらせたら天下一品の役柄、、、ところが、本当に妻は不倫をしてしまい、さらに妊娠もする、と、男は嫉妬に狂う、、、赤ん坊を産んでもいい、そして、また二人でやり直そうと、ところがやはり子供が生まれると、男は子供の存在に嫉妬し、それは不倫相手だった男への敵意、、、そして、男が出た行動とは、男が選んだ最後とは、、、
主人公は、障害があればあるほど、もしくは本来は手の届かない方に、興味が移る男のようだ、、、思えば、監督のルキノヴィスコンティ自身がそのようにも思える、、、そもそも貴族の出身であるにも関わらず、<揺れる大地><ベリッシマ>といった自分の身の上とは正反対のネオレアリズモで映画監督としてデビューし、一時共産党に入党しながらも貴族の世界を描いてきた、女性も愛し男性も愛した、そして、今回はその貴族じたいを愚かな対象として風刺する、、、ヴィスコンティ自身の精神の中に整合性がとれていない、しかしそれも魅力の一つといえるかもしれないヴィスコンティの遺作、間違いなく素晴らしい一本だ、、、