どこかで見た構図だなぁ、、、あっちが真似たのだが、、、
「1001本」にも選ばれているので以前から気になっていたが、なかなか今まで観る機会がなかった、、、また、噂には聞いていたハルハートリー監督作品は未見だったので、この機会に観てみた<トラストミー>、、、とても個性的な作風だ、、、アキちゃんやウェスアンダーソンとまではいかないが、ジムジャームッシュほどのテイストも含んだ監督に感じた、、、
物語
妊娠して、高校をドロップアウトしたマリア。両親に妊娠を告げると父親は怒る。マリアは父親を平手打ちするが、父はなんと心臓発作で死んでしまう。母親に家を追い出され、彼氏からも愛想をつかされる。泊まるところもなく街をさまよっていると、電化製品の修理工であるマシューと出会う。マシューもマリアと同様、家族とうまくやっていくことができない性格であり、仕事も自分の意にそぐわないことはやらず、すぐに辞めてしまうことを繰り返していた。誠実なマシューに、次第にひかれていくマリア。マシューも、マリアの為に地道に働こうとする。(Wikiより)
主人公の二人は、「家を出よう」「遠くに行こう」と度々口にするが、仕事はすぐに辞めるものの、相手の家で寝泊まりしたり、決して狭い街から一歩も出ることがない、抜け出せない、逃げ出さない、、、この映画は「依存」の映画、家族への依存、パートナーへの依存、そこからの自立(を)、、、作中、誘拐された赤ん坊のように、依存しなくては生きていけないかのような主人公たち、、、ラスト、主人公二人は他者の力により離され、街から抜ける皮肉な結果となる、、、これがもしもラストで、普通のありきたりな映画のように、相手を「待つ」となると「愛」の話になってしまうが、本編中にも再三セリフにある「愛ではない」のだから、このラストで正解となるのだ、、、
主人公の女性が小さくて、細くて、米国人にしてはとても華奢だが、派手なメイクと恰好で学校をクビになった17歳、、、ところが、この子が恋人に裏切られ、家族にも見放されて、キャラを反転させていく決心をした時にメモ帳に書く言葉
I am ashamed.(私は恥ずかしい)
I am ashamed of being young.(若いということが恥ずかしい)
I am ashamed of being stupid.(愚かであることが恥ずかしい)
ここから彼女は、生まれ変わる(変わろうとする)、、、
もう一人の主人公の男はこういう
「愛は人を愚かにさせる。嫉妬やウソや裏切りや自殺、時には互い殺し合う」
だから軽々しく「愛」という言葉を使わない、かわりに「尊敬」など他の言葉を好意ある相手に告げる、、、まるでこの主人公が「テレビは嫌いだが、ラジオならいい」と言ったのと同じように、、、
ふたりの会話
女「退屈な人になったわね」
男「社会の一員になったんだ」
これは
ちょっとクセがあるけど、とても魅力的な作品だ、、、