たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/眼には眼を

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シリアで働く主人公のフランス人医師が、妻を亡くした男から付きまとわれる、妻を亡くしたのは医師のせいだと恨まれていると感じた医師は、男に釈明したいのだが、こんどは主人公に追われる男が医師を避けるのだが、、、なりゆき上、起伏の激しい山岳の砂漠地帯を医師と男は彷徨うことになるが、果たして医師の運命は、、、

 

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うちの妻はキリスト教えは嫌いだという「なにが、右の頬を打たれたら、左の頬を出せだ!」と、、、「右の頬を打たれたら、倍返しでぶん殴れ!」が妻のモットーなのだと、、、だからイスラム教の「眼には眼を」こそ妻は支持するというのだ、、、コワッ

 

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この映画、最初はヒッチばりのサスペンスフルな展開で進行する

嫌がらせ、心理的なアプローチに主人公が追い詰められていくんだね

 

ここでは主人公の医師は窓を通して相手の男を見ているシーンが多い

一方、相手の男は鏡を通して医師を見ているんだね

ここらへんが大変巧いなぁと唸るね

 

ものの見方の相違のように感じるし

それはキリストとイスラムの違いに紐づけて考えてもいい

 

西洋の人間が

キリスト教の世界からみたイスラムの世界との

理解の難しさを感じているのがよく分かるね

 

オリエンタリズムの一方で

得体のしれない恐怖を西洋の人間は感じているのだ、、、

 

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本編折り返しの当たりから

二人の男が砂漠を彷徨う

 

終始、男を疑ってい主人公だが

そのたび主人公の思い込み、疑いすぎと

観客にも植え付けてゆきながら、砂漠を進む、、、

 

砂漠といってもアラビアや鳥取砂丘ではないんだよ

山岳の起伏の激しい乾いた土地

行けども行けども町に着かない町が見えない

でも医師は男に付いていかざるを得ない

 

これさえも

全て最初から男に仕組まれていたことではないのかと疑う

だから、男が寝ている間に

医師は不潔なナイフで男の腕を切るんだね

「早く町に着かないとオマエの腕はエソになる」

「町についてオマエを助けられるのはオレだけだ」と脅して

町に急いで案内させるんだけど、

 

(以下、ネタバレ)※カーソルをなぞると読めます

男はついに力尽きて命を落とすね

医師は最後に男から聞いたとおりに

町を求めて砂漠を真っすぐと進むのだけど

そのときキャメラは上空に上り

遥か彼方まで乾いた山が続く光景を見せて幕を閉じるね、、、

 

男はこうなるように

自らの命を張って復讐を果たすことになるんだね

こわいね、、、こわいよ、この映画、、、

 

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