ツァイミンリャンっていうと、ボクが観た限り、かならずトイレのシーンが出てくる、、、この映画でも、閉館となる映画館のトイレを従業員の女が掃除をしている、、、閉館するんだから、なにも掃除することもないような気もするが、女は淡々といつものルーティンで仕事をこなしているんだね、、、ツァイミンリャンのトイレフェチ、、、
物語は、閉店最後の夜を迎えた映画館、スクリーンには巨匠キンフーの武侠映画＜残酷ドラゴン 血斗竜門の宿＞がかかっている、場内は閑散とし、いつもと変わらぬように時は過ぎていく、そんな上映中の映画館の出来事、、、というと、ドラマチックな気がするが、映画にするような出来事らしい出来事は起きず、映画は「終劇」となり幕を閉じる、、、
その間、映画館の外はずっと激しい雨なんだよねぇ、、、そういう映画が時々あるね、映画のほとんどは屋内なのだけど、ときおり窓から見える外には大雨が降っていて、映画のはじまりから終わりまでずっと外では雨が降り続ける、そういうのがとても映画らしいんだよね、、、
↑このシーンはスクリーンの裏側にいる女、スクリーンには細かい穴があいているので、裏側でスクリーンのそばにいると、このようになる、、、ちなみに、時々映画館で映画観ている観客の顔に映像が反射して映っているようなシーンを見掛けるが、テレビとは違い現実にはありえない、、、
ほとんどセリフはない、セリフじたいが必要ない、1カットほぼFIXで長回しで撮られたカットが並べられていく、、、映画内映画（劇中劇みたいに）＜残酷ドラゴン 血斗竜門の宿＞が「終劇」になってからが「結」となるが、それまで「起・承・転」はなく、承・承・承、、、「起」も「転」もないのだ、、、ストーリー重視の映画ファンは観たら必ず後悔する類の映画だ、、、ほんとツァイミンリャンって変わった人だなぁ、、、頭は良いのだろうが、かなりの変人とみた、、、
＜ニューシネマパラダイス＞のように、キレイなストーリーはないし、
観客を煽るような感情移入を促すシーンもないが、映画館じたいがノスタルジック、、、ガキの頃は日本もこんな映画館だった、そして映画館では色んなことがあったなぁ、、、
それと、ボクは免許は持ってないけど、昔、35のフィルムを度々映写機にかけていたことがある、だから映写室のシーンを観かけると、個人的に当時のことをよく思い出すんだよね、、、この映画は、タイムスリップして昔昔の色々な想い出に導いてくれた映画でした、、、
この映画鑑賞のために、未見だったキンフーの＜残酷ドラゴン 血斗竜門の宿＞を鑑賞した、、、それは、この作品鑑賞にあたって必須である、、、
