そもそもフィンチャーって、さまざまなジャンルを撮る、、、とくにポリシーもなく、一貫性もない、興味を持った題材に取り組むだけで、そこには思想的な思いは挟まない、、、センスのいいビジュアルでアーティスティックではあるけど、むしろ職人気質を感じる、腕のいい職人、あ、ヒッチのよう、、、
正直「つまらなそう」と思っていたし、尺も長いからずっとスルーしていたが、フィンチャーで唯一未見だったので、何も期待せずこの際観ておこうと思った、、、
ところがどっこい、あまり語られることもなく、評価も曖昧な(絶賛もなければ/貶されることもない)この作品、、、なんとなんと非常に面白く良かった、、、
構成としては<フォレストガンプ/一期一会>、あんなにテンションは高くないが、時代ごとに人々との出逢いがあり、エピソードを連ねていく
人生のロードムービー(このフレーズ昔一度使ったことがあるなぁ)、、、
「雷にうたれことがある」と年寄りたちが口にする、、、最初、どういう意味か解らなかったが、どうやら「恋」を意味するのではないだろうか、、、人生では何度か恋をする、それを雷に打たれたというんだね、、、そのシーンだけモノクロームで雷に打たれるシーンがインサートされるから、最初のうちてっきりマトモニ受け止めてしまった、、、
葬儀や墓地のシーンが多い、、、主人公は若返るが、周囲の者たちは死を迎える、、、人々が死んでいくのを見守る人生は辛いが、失って分かることがある、、、若返ってゆく主人公を通して死と老いを描く、、、
これはこれはフィンチャーの立派な立派な、もっと語られて然るべき作品だ、、、