ジョージキューカーっていうと
日本では<マイフェアレディ>
米国では<フィラデルフィア物語>が代表作と呼ばれ
女優の扱いが上手いハリウッドきっての監督で
キューカーが重要な仕事を果たしている
でもね
ほんとうに一番良いと思うのは<アダム氏とマダム>だよ
ほんとうに映画が好きな人は絶対に観た方が良いよ
その次に面白いのがこの<ボーンイエスタデー>
映画史上のコメディー映画トップ24位にも選ばれたことがあるけど
なぜか日本では語られることがない埋もれがちな上質のラブコメディ
主演がジュディホリディ
<サンセット大通り>のグリアスワンソン
<イヴの総て>のベティディヴィスを下して
初主演映画ながらその年のオスカーを手にした
鑑賞してみると
そうそうたる候補者を押しのけての
おバカキャラの受賞に納得する
最初は魅力を感じなかったジュディも
物語が進んで行くうちに
凄くキュートに思えるようになるから不思議だ、、、
ただしその後のジュディ
オスカー女優としては大きな活躍が見られなかったのは残念、、、
バーナードショーの<ピグマリオン>を下敷きに
同じキューカー監督が<マイフェアレディ>を撮ったわけだけど
<ボーンイエスタデー>はそのエッセンをモチーフにしたコメディ
Born Yesterdayとは
「昨日生まれたばかりの無知な人」の意味のようだ、、、
おバカな彼女を知的に育てる男と滞在中のワシントンを巡る
国会議事堂、議会図書館、ナショナルギャラリーと、、、
そこで彼女は
憲法と独立宣言、権利章典が米国の近代国家として独立した礎と知り
ジェファーソンの像に刻まれた言葉
「人間の心に対するいかなる専制も許さないと誓う」の言葉に感銘を受ける
つづけて「国民が武器を所持する権利を侵害してはならない」
いかにも米国らしい個人的には愚かだと思えるけど
それ以前にさぁー「他人の生命を脅かしてはいけない」と、ちゃんと書いてあるのかなぁ
そんなことだから、その後の米国の悲劇が次つぎと生まれることになっちまう、、、
ところで
こんな憲法について語るシーンが出てくるのも当然理由があるよね
横暴な愛人旦那に従っていた無知な愛人が自我に目覚めていく姿を
米国の建国の父ジェファーソンを象徴に描いているんだね、、、
ボクは再三
欧米人が家の中でもベッドの上でも
靴を脱がないことを不思議に思い
程度が低いと思っていたが
なかなか合点がいく説明を得られずモヤモヤが続いている
この映画の中で主人公の女性が
成り上がりの育ちの悪い旦那が
部屋に入るとすぐに靴を脱ぐ習慣を侮辱してこう言う
「すぐ靴を脱ぐ下品な人」
家で靴を履いている方が「野蛮」で「不衛生/不潔」と思うが
向こうは向こうで靴を脱ぐことを「下品」と感じ笑っているんだね
これほど世界中の人々の
考え方や感じ方が違えば争いも絶えないはずだ、、、
あらすじ
クズ鉄業で財をなしたハリー・ブロック(ブロデリック・クロフォード)は、事業拡大(法に触れるかもしれない合併)の話をまとめるためワシントンに、元女優で愛人兼名目上の共同経営者ビリー・ドーン(ジュディ・ホリデイ)とともにおもむき、議員と話をするが、ビリーの頭の悪さに難儀する。そこでハリーは彼を取材にきたジャーナリストのポール・ベラル(ウィリアム・ホールデン)に、彼女の教育を依頼する。ワシントンの名所を案内されながら、アメリカという国・民主主義という考えかたの講義をうけ、ポールに釣り合う女性になるために勉強したビリーは、ハリーの不正に気がつき、ポールに情報を提供するが、、、(Wikiより)