たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

男はつらいよ(27)浪花の恋の寅次郎_再

 

男はつらいよ>シリーズは

プログラムピクチャーとして

単なる人情喜劇として

軽くみられている節もあるが

キネ旬のベストテンにも何度も入るほど

作品として質も高い

 

男はつらいよ<第1作>はキネ旬の6位

望郷篇、恋歌、柴又慕情、忘れな草、相合傘、夕焼け小焼け、知床慕情

シリーズ中8作もその年のテンに選ばれていて

とくに<夕焼け小焼け>はその年の2位に挙がっている

 

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でも

そんなキネ旬のテンには入っていないけど

<寅次郎純情詩集>はバッドエンドながら

寅とサクラの駅のホームでのラストシーンには涙するし、

 

<寅次郎浪花の恋の物語>は

シリーズ中もっとも好きな作品のひとつであり

弟を失った姉の心情にやはり涙が誘われる

 

その大好きな<浪花の恋の物語>を

まだ半年も経たぬうちに、また観た、そしてまた書く、、、w

 

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これは

江戸っ子ミーツ浪花っ子

寅さんが藤山寛美に出逢う物語

東と西の芸人のリスペクト

 

それは大阪出身の山田洋次が東京で

江戸っ子の代表選手のような人物を描いてきたことにもつながる

不思議なめぐりあわせ

 

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本当の江戸っ子って

本物の浪花っ子と非常に良く似ている

 

それは東西の大きな町の

でも下町という共通点なのか

酒でも飲んで2時間も話せば

お互いに似ていると薄々感じるはず

 

言葉や風習が違っても

なんかどこか似通っていることに気付くはず

 

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「もう一週間か」藤山寛美が言う

「まだ一週間かよ」寅が言う

同じ一週間でも感じ方が違うと山田洋次が提示した

 

「やっぱ大阪はダメだ」寅が嘆く

東京のテキ屋は大阪では受けない

 

ふたりの別れのシーン

東京が浅草なら、大阪は新世界でのシーン

 

ついついカッコつけて惚れた女に言いそびれる寅に寛美が言うのは

大阪からの東京へのメッセージ

「カッコつけたらあかん、アホになりきらんと」と

寅は頷き「ありがとよ、覚えておくよ」と、


作中こんなシーンがある

寅が松坂に財布を預け勘定を促す


こういうのちょっと前まで

日常でもよくあった光景だか、

そうやってカッコつけるのが江戸っ子

なんでも粋で片付けようとする、、、

 

 

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宗右衛門町の芸者

松坂慶子の「うち、芸者やさかいな」

 

松坂慶子がいい

ピーク時だと思うけど

容姿だけでなく

寅に甘えるしぐさとか、、、かわいい

 

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大阪出身役(実際も)の佐藤蛾次郎にも

大阪時代に何か悲しい物語があるようだが

詳しく語られることはない

いまならスピンオフで物語を知りたい、、、

 

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以下、気づいたことをメモしておく

 

満男がとうとう吉岡秀隆に交代する

まだまだ幼いが

今までの満男君には悪いが、やはり吉岡は上手だ、、、

 

かき氷

イチゴ→メロン→レモンときて、今回イチゴに戻った

あと一品あずきがあるはずなのだが、、、

 

宝山寺がいいね

機会があったら行ってみたい、、、

 

サクラが自転車をやめ

スクーターに乗り替えた

しかし、次回第28作では再びサクラは自転車に乗っている

前回あったことが

次回では何も触れずに無かったことになっていることが

男はつらいよ>では多々ある、、、

 

タコ社長のヘアスタイルが微妙に変わった

今までは所謂「鯔背(いなせ)」ってやつで

よく祭好きのヤツ等がしている

前髪だけ短く残して頭を剃るスタイルだったけど

すこし残した前髪をポマードでバックに流している

次回作でもやはり同じように鯔背でなくなっている、、、

 

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前回も書いたが

薄味が苦手な寅が醤油を要求すると

松坂慶子がからかうよう茶々を入れる

 

「貧乏人のガキだったからね」

 

濃い味は贅沢の象徴なのか

江戸のインフラのために大勢の肉体労働者が押し寄せ

汗水たらす労働者には濃い味が好まれたのが東京の濃い味の始まりとも言われる、、、

 

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ラストがいいね

今までなかったこと

フラれたマドンナに自ら会いに対馬を訪ねる寅、、、

 

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