ムーランルージュ開業に関わる人々の愛憎と人間模様
一八八八年、パリ。興行師ダングラアル(ジャン・ギャバン)の経営する寄席〃シナ屏風〃から物語は始まる。モデル女をしていてダングラアルに見出され、この寄席のスターとなったロオラ(マリア・フェリクス)は烈しい気性そのままダングラアルを熱愛していた。しかし、彼の事業の出資者であるヴアルテル男爵が彼女につきまとっていた。ある夜、モンマルトルへ行ったダングラアルは、”白い女王”というキャバレで、恋人のポオロとカンカン踊りに興ずる小娘ニニ(フランソワーズ・アルヌール)の新鮮さに驚かされ、カンカン踊りを新しいショーとして興行する決心をした。彼は早速〃シナ廉風〃を亮払い、〃白い女王〃を買う契約をした。そしてフレンチ・カンカンと新しい名をつけ、ニニを説得して踊りの練習をさせた。”白い女王”は坂り壊され、その名も”ムウラン・ルウジュ”と改められた。グムウラン・ルウジュ〃の棟上式の日、ニニに嫉妬したロオラが喧嘩をしかけ、大乱斗となった。ダングラアルはニニのことで怨みをもつポオロから工事中の穴に突落され、重傷を負った。彼が退院した日、ロオラにそそのかされたヴアルテル男爵が出資を申止したことを知った。この絶望の日にダングラアルとニニは初めて結ばれた。しかし、かねてニニ思いを寄せていた近東の某国王子アレクサンドルの援助で”ムウラン・ルウジュ”の建設は着着と進められた。嫉妬にもえるロオラは、アレクサンドルを連れて”ムウラン・ルウジュ”にやって来、ニニに王子の面前でダングラアルの情婦であることを白状させた。失望した王子はピストル自殺を計ったが、未遂に終り、ニニに”ムウラン・ルウジュ”の権利書を渡して去って行った。後海したロオラも協力を約した。そして、”ムウランー・ルウジュ”開場の日が来た。人人は開場前からどっと押寄せた。しかし、ニニは、ダングラアルの心が彼の発見した新しい歌手に移ったのを知って沈んでいた。いよいよ呼びもののカンカンが始まるというとき嫉妬にかられたニニは楽屋にこもって出演を拒絶した。観客は騒いだ。しかし、恋人がほしければアレクサンドルに電報を打て、亭主がいるならポオロのところへ行け、というダングラアルの厳しい言葉に、ニニはカンカンに生きる自分の立場を知った。割れ返るような拍手のなかに飛び出たニニは何もかも忘れて踊り出していた。(MovieWalkerより転載)
これは正に芸術
小難しいそれではなく
見るがままに心奪われる絵画のような
ルノワールの血がそうさせる天性の色彩感覚に酔う
1カット1カットに惚れ惚れする
<河>も<黄金の馬車>も美しいし
映画としては優れているかもしれないが
ボクは断然こっちが好き
誰かに心奪われるように
好きに理屈はない
最初は恋ではなかった、女は「踊りの上手なオジサン」と、男は「フレンチカンカン」のアイデアを、、、
ムーランルージュ開業までのパートナーにはずが、
パートナーの嫉妬と誤解から開業への道は険しく
噂のふたりが、現実に、、、
オジサン完全に恋に落ちました、、、
一方同じころ、パートナーも新しいパートナーと、、、
左、恋人に去られた男、、、右、みじめな生活から逃げ出せない女、、、
どちらもスタジオ内のセットだけど、絵のよう、、、
ここは面白かった
女はもともと屋内にいたが、外に飛び出し背景の奥の手すりに飛びつき、滑り降りたところに王子様登場、、、
女のモテキ到来、、、
オジサンといい仲になったばかりのところに、好条件提示して王子様のプロポーズ、、、
そこに主人公の元カノ登場し、今カノに横やり入れる
「可愛い顔して、あんたもやるもんだね」と、、、(ふむ、あみん?)、、、しかも、その後王子さまは自殺未遂、、、ますますムーランルージュのオープンはピンチに、、、
まぁ、それでも色々あってムーランルージュは開店を迎える、、、
が、女は気付いた、男の心変わりを、、、
可哀想なのはこの若い踊り子のニニ、、、王子様に求愛されていたのに、そんな玉の輿のチャンスを振り切ってジイさん信じてついてきたのに、他の女に心変わりされ、、、
しまいにゃオッサン、開き直って、逆ギレ、、、
それでも健気な彼女は気持ちを切り替え客の待つ舞台へと飛び出していきました、、、
フレンチカンカンって、すごく大らかな踊りで、さいこ~
それぞれのカットを静止画で見ると解りやすいが、手前の主人公よりも、背景の演者たちこそ、いかにもルノアールの絵画の1パーツのように配置されているんだよね、素晴らしく美しい映画でした、、、この埋もれがちな傑作を是非!