たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/悪人と美女_The Bad And The Beautiful

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1952年のアカデミー賞において

白昼の決闘><静かなる男><白衣の男>を抑えての脚色賞のほか

グロリアグレアムが助演女優賞を受賞し

ブルースのお父ちゃんロバートサーティースが撮影監督賞

ほかにも衣装デザイン、美術で受賞し

その年のアカデミー賞の最多受賞作品であるにもかかわらず

その割には埋もれてしまっている作品

 

これが埋もれているなんて

なんて勿体ないことだろう、、、

 

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この当時流行りの

ハリウッドの内幕を描いたバックステージものではあるが

イヴの総て><サンセット大通り>に迫る面白さ

 

主演は

ラナターナー、そしてカークダグラス

(クレジットはラナが上位)

監督は名匠ヴィンセントミネリ

それまでMGMで上質なミュージカルを撮り成功していた監督が

人間ドラマに挑む

 

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物語は

ハリウッドの一流監督フレッド。アミエル(バリー・サリヴァン)にパリのジョナサン・シールズ(カーク・ダグラス)から長距離電話がかかってきたが、彼は出ようともしなかった。同じ電話がいまを時めく大スター、ジョージア・ロリスン(ラナ・ターナー)にも、第1級の脚本家のジェームズ・リー・バートロー(ディック・パウエル)にもかかって来たが、2人もやはり至極冷淡だった。その日の真夜中、3人は製作責任者のハリイ・ペベル(ウォルター・ピジョン)に呼ばれ、ジョナサンの電話の要件は彼が2年ぶりで映画製作を目論み、3人の協力を求めて来たのだと聞かされた。しかし3人には、ジョナサンにまつわる苦い思い出があったのだ。監督のフレッドが彼を知ったのは18年前、映画事業の開拓者だった彼の父ヒューゴー・シールズの葬式の日だった。その頃、フレッドは監督志望の貧乏な映画青年であり、一文なしだが製作意欲に燃えているジョナサンと仕事仲間になった。ジョナサンは、当時B級映画の製作者だったハリイの撮影所で働き、数年間に11本の映画を作ったが、終わりの8本はフレッドが監督にあたった。ジョナサンとフレッドはもはやB級作品にはもの足りず、ほかの撮影所が幾度か試みて失敗した小説「遥かなる山」の映画化を企て、2人でその脚本に没頭、快心のものをつくった。だが撮影開始の直前、ジョナサンは監督をフォン・エルスティーンに変えたので、フレッドは激怒してジョナサンと袂を分かった。その後彼は2つのアカデミイ賞を得、一流監督にのし上がったのだ。ジョージアがジョナサンを知ったのはまだ彼女が端役もありつけない頃だった。彼女の亡父はアリウッドの最も偉大な俳優の1人だった。そのことが彼女に大きな重荷となり、劣等感の苦しみを酒にまぎらせ、自殺を企てたこともあった。ジョナサンは彼女に役を与えその劣等感を容赦なく叩きこわした。彼女はしばらく俳優修業に真剣になり、酒を断ち、やがてはジョナサンの作品に主演するようになった。それとともに彼女はジョナサンに愛情を抱きはじめ、ジョナサンも彼女を愛しているように見えたが、実は彼の求めるもの、ただ立派なスターとしての彼女だけだった。やがてジョージアは、彼に別の女があることを知って絶望し、彼との契約を破棄した。だがこの7年間、彼女はいつも人気投票のベストテンに選ばれていた。脚本家ジェームズがジョナサンを知ったのは49年の夏だった。大学教授のかたわら、2回目の小説を書いていた彼は、ジョナサンからシナリオ・ライターとして招かれ、妻ローズマリ(グロリア・グレアム)にせがまれて2週間の予定でハリウッドへ向かった。口説き上手のジョナサンはジェームズに「誇らしき土地」のシナリオを引き受けさせた。そして、ローズマリを仕事の邪魔になるとて人気男優ゴーチョに預け、ジェームズを静かな湖畔につれ出して仕事に没頭させた。シナリオが完成したとき、ローズマリとゴーチョは飛行機事故で死んだ。ジェームズはジョナサンのために自らの生活を破壊されたが、今や彼は最近作でピューリツァ賞を獲得し、ハリウッドきっての脚本家としておさまっていた。ジョナサンは「誇らしき土地」を自ら監督して失敗し欧州に渡ったのだ。――3人がそれぞれ回想にふけっていたとき、ジョナサンからハリイに電話がかかって来た。3人とも彼との仕事はもう真っ平だとは思ったが、何か気にかかる彼の声に耳を傾けずにはいられなかった。(MOVIE WALKERより転載)

 

傲慢で、人を傷つけもするが、人を引き付ける魅力を持つ男

みんな彼を憎んでいるが、

今のこの地位に昇りつめることが出来たのも、彼のお陰とも言える、、、

 

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終盤

あるシーンを巡って

プロデューサーのカークダグラスが

「すごくいいシーンなのだから、もっと盛り上がらせるべきだ」と注文する

 

すると監督は

「すべてのシーンをクライマックスのように撮ることもできるが、そんなバカなことをする私は監督ではない」と反論する

 

さらに監督は

「仕事に誇りを持っている監督は他人の言い分には従わん」と言い、絶対にプロデューサーの求めに応じない

 

監督は捨て台詞で

「思い通りの映画を作る方法は、自分で監督することだ」

「そして、監督には謙虚さが必要だ、キミには謙虚さがあるかい?」と、

 

そして監督は降ろされ

プロデューサーであるカークダグラスがメガホンを握ることになる、、、

 

その後

辣腕プロデューサーとしてならすことになるカークダグラスの

実際の姿と重なるような気がするのは

リアルタイムでなく、遡って映画を観た人の特権だろう

(ちなみにカークダグラスは監督業はしなかった)

   

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実際の映画の現場で起こり得るトラブルだね

 

PはDを降板させ自分で監督する

そして、失敗

カークは自分で監督した作品に満足できず

お蔵入りを命じるが、

それによって会社は危機に瀕する

 

あれ?日本でもそんなこと時々あるよね

K川氏とかO山氏とか、いたよね

時代の寵児たちのお決まりの末路、、、

 

よせばいいのに~♪

祭あげられた人物は

何でも出来ると思ってしまう

適材適所ってことを知るのは必ず失敗した後だよね、、、

 

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