「スウェーデン映画の父」と呼ばれ
「ベルイマンの師匠」であり
一般的には<野いちご>の主演俳優として知られているが、
ヴィクトルシェストレムは
スウェーデン映画創世記に<霊魂の不滅>という名作を残し
ハリウッドでも活躍した、、、
バージニア州生まれのうら若き乙女・レティは、テキサス州に住む従兄のビバリーを頼り、砂嵐の吹き荒れる大平原の中にあるビバリーの家で暮らすようになる。ビバリーの子供達はすぐレティになつくが、彼の妻コーラは若く美しいレティに嫉妬し、いじめるようになる。コーラのいじめに耐えかねたレティはビバリーの家を出、近所に住むがさつ者のカウボーイのライジと結婚することを決意する。しかしレティには、ライジの愛を受け入れるだけの心の準備がなかったため、二人の関係はぎくしゃくしたものとなってしまう。 レティのヴァージニアへの思慕が日に日に募るのをみたライジは、レティをヴァージニアへ帰すための資金を稼ぐべく、仲間と共に家を空ける。猛烈な風にレティの神経が痛めつけられる中、かつてレティを誑かそうとした好色漢ロディが現れ、レティに襲い掛かる。レティは砂嵐を起こすという伝説の幽霊馬の幻を見ながら、失神する。翌朝、レティは昨夜の出来事を思い出し、ロディを射殺してしまう。遺体を砂の中に埋めたものの、やむことの無い風は容赦なく砂を吹き飛ばし、埋めたはずのロディの遺体が徐々にあらわになり、レティは気も狂わんばかり。そこへライジが帰宅し、昨夜からの出来事は幻であったことにレティは初めて気付き、同時に夫・ライジへの真実の愛に気付くのであった。レティは、風が吹き荒れるこの地にライジと共に住み続けることを決心し、映画は幕を閉じる。
主役のリリアンギッシュは
「キャリアにおける最悪の撮影であった」と語りながらも
彼女自身の生涯のベストアクトを披露している、、、
また
映画ファンを自称する人なら
当然観ているはずの傑作<狩人の夜>で、
何故リリアンギッシュが抜擢されたか
その意味を知ることが出来るほど
この映画<風>は<狩人の夜>につながっていて
チャールズロートンは彼女を絶対に必要としたのだ
ギッシュの役柄はこの映画に限ったことではないが
聖母であり、弱い女性の立場の象徴であり続けながら
この映画では銃を手に取り、悪である男に銃口を向けるのだ、、、
映画のラストはハリウッドの大人の(むしろ子供っぽい)事情により
本来のものとは変更されているそうだ
オリジナルの脚本では
女が射殺し埋めたはずの男の遺体が
風によって再び姿を現すことになり
それを見た女は気が狂って砂嵐の中に消えていくというものだったらしい
大人の事情の「夢オチ」よりも
本来の形で観てみたい気もするが
ハッピーエンドでも十分すぎるほど満足な仕上がりになっている、、、
「風」というアイテムは映画において
印象的なシーンを生み出す
この映画は
映画の歴史において
初めて「風」を可視化することに成功した作品とされている
映画の中で印象的な「風」が登場する映画は ↓
とにかく、これは、絶対に観るべき、埋もれがちな傑作、、、
タイタニックの原型?