たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/悪魔の陽の下に

 

北フランス、カンパーニュの主任司祭ムヌウ・スグレ神父(モーリス・ピアラ)は、救区民の教化に熱意を示しつつもその並外れた苦行と懐疑に身をすりへらす助任司祭ドニサン神父(ジェラール・ドパルデュー)に心を痛めながらも、その不器用な彼の魂のもつ神秘的な何かを見抜いていた。親の目を盗んで侯爵(アラン・アルキュール)と情事を重ねていた16才の少女ムーシェット(サンドリーヌ・ボネール)は、深夜侯爵のもとを訪ね妊娠を告げるが、彼の卑劣な逃げ腰に逆上し殺害する。その後、土地の名士で代議士のガレ医師(ヤン・デデ)とも情事をもったムーシェットは、彼もまた自分の身の保全に汲々とし彼女の妊娠はおろか犯罪の告白にも耳を貸さない様子に、彼女の人格は自分はただの肉体で男にもてあそばれる道具なのか、と次第に精神混乱におちいってゆく。主任司祭の命でポーランクールに向うドニサン神父は、北仏の広大な原野の静けさに満ちた夜に、馬商人の姿をした悪魔(ジャン・クリストフ・ブーヴェ)に会い、試みにあうが、彼は誘惑をしりぞけた。その明け方、必然のようにムーシェットと出会ったドニサン神父は、瞳を見ただけで少女の罪を理解した。一方初めて己れの真実と向きあった少女は自殺する。ドニサン神父は血まみれの少女を神にお返しするために聖堂へ運び入れるが、それが醜聞となり彼は5年間の修道院生活を強いられる。ランブルの主任司祭となったドニサン神父に人々は聖人の姿を見ていたが、彼は自分の無力さにあえいでいた。ある日一人の男が死にかけた息子のためにドニサン神父を呼びに来るが、彼がリュザルヌの教区に着く頃にはすでにその子は死んでいた。ところが神父が死体を聖体のように捧げると、子供は甦り目を開くのだった。しかしながら、ドニサン神父の心に平安が訪れることはついになく、神への霊的な葛藤を胸に抱いたまま息をひきとるのだった。

 

名匠モーリスピアラの

カンヌ映画祭パルムドール受賞作品

 

ふつう一本の映画を観ていると

印象的な「雨」とか「風」とか「火」「水」「雪」のシーンがあったり

「結婚式」や「葬式」などシチュエーションが用意されていたりするものだが

この映画に関しては何もない

 

部屋の中

教会の中

荒涼とした土地

劇中出てくる場所はそんな程度で

敢えて物語に添えるようなものアイテムを用意しない

非常にストイックな映画

 

ハネケやトリアーよりも

エリックロメールに近い作風

 言葉が多い

 

ちょうど良い感じの長回しがあったと思えば

一見乱暴にも思える編集で刻んだりする

 

主人公の中に棲む悪魔と

悪魔による誘惑を越えて得た能力

 

いずれにしても、疲弊した精神の先に

主人公の司教がみたものとは、何か、、、

 

神と悪魔は

どちらか一方にその存在を委ねるものではなく

つねに均衡を保っているかのように思える

 

生があれば、死があるように、、、

 

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