2004年の日本映画
当時たいへん人気だった香里奈が主役を張り
<深呼吸の必要>
以前から非常に気になっていた映画で、やっと観ることが出来た、、、
物語は
募集につられて都会から沖縄の小さな島に農作業にやって来た若者たち男女7人、広大なサトウキビ畑を35日間で全て刈らなくてはいけないのだが、あまりにも広大で途方に暮れ諦めが先に立つ、、、しかし、若者たちはひたすら刈る、、、
本編では
ほぼほぼサトウキビを刈る若者たちの姿が映し出される
サトウキビを刈っているだけの映画
それなのに、なんでだろう
凄く心地よい
本当は暑くて辛い作業も
観客には良い「気」がもらえているような気分になる
これといったストーリーもないのに
まったく退屈にならない
むしろ居心地がいい
こういうシチュエーションの映画では
登場人物みんなが知らない者同士で、みんな訳アリで、
でも、徐々に心開いて
ここに来た事情が徐々に明らかになっていくっていうのが
映画の定番であり、セオリーなんだろうけど
この映画では
数人のほんの少し事情を垣間見せながらも
ハッキリと語らせはしないし
けっして深追いをしない
心開いて通じ合い
団結することも
過度にドラマチックには演出しない
それが良いのだ
無口な高校生が
背伸びをして突然喋り出す
「クタクタになるまで働いて、ゴハンいっぱい食べて、たっぷり寝れば、また朝が来る」
毎日毎日同じことの繰り返しだけど
その大変さ、だけど、その充実感を感じた瞬間の言葉だね、、、
もうひとつ
主人公は子供の頃競泳で深呼吸をしていたためにスタートに遅れ競技でビリになったことがある、なんでスタート前に深呼吸をしたかというと、前夜「緊張する」と言う娘に対し父親は「深呼吸をしなさい」という、深呼吸することで「緊張する」から「楽しい」ものになると教えたのだ、、、、今ここにいるのは「自分のせい」楽しめるかどうかは「自分次第」、、、楽しめる自分になるには、深呼吸が必要なのだ、、、
これは日本映画の2000年以降の傑作
もっともっと評価されて然るべきだ、、、