たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/コタンの口笛

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ボクは北海道の先住民族アイヌについて詳しくないが

和人(日本人)に虐げられ

耐えてきた歴史は想像に容易い

 

ラストで土地を離れる姉弟

どこへ行ってもこの姉弟の前に困難が立ちはだかるであろう

 

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オープンセット

中古智のいつもながらの仕事ぶり

この作品でも最も重要なアイヌの彼らの住居を再現した

 

住居の面前には川が流れている

絵具を流したような青い水、そして空

独特で、すこし怖ささえも感じるその色

多少イエローが強い画調

あえて施したような強い意志を感じる色だ

 

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おばあちゃんの御見舞いに

少年が川でサケを獲ってきた

それは密猟かも知れないが

大人がその子をなじる

アイヌが同じことをやれば和人がやるのとは違う

「それみたことか」「やっぱりはアイヌは」

お前が嫌がるような言葉を投げ掛けられることになるのだと

大人は少年を諭した

 

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脚本橋本忍

いつもながらの成瀬の女の苦しい人生を描く井手や水木と違うので

成瀬が苦手な人にはむしろ受け入れられやすいかもしれない

逆にいえばいつもの成瀬を期待した観客の目には異質に映るかもしれない、、、

 

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物語

北海道、千歳の町外れの千歳川のほとりに、コタンの家が点在している。畑中イヨンの子供、マサとユタカの姉弟は、中学の三年生と一年生で、父は駐留軍労務者だ。日本人の母は亡くなっていた。隣家のイカンテ婆さんには、孫娘のフエがいた。彼女は工場に勤めるかたわら、バレーを習っていた。--マサに図画の谷口先生が東京の展覧会に出す絵のモデルになってくれと言った。--女生徒のハツの財布がなくなり、彼女は頭からマサを疑った。アイヌだからだ。マサは怒った。弟のユタカも学校で蔑まれていた。--フエは、大学生の清に写真を撮ってもらった。彼は小学校の佼長・田沢先生の息子だった。マサは、支笏湖を背景に絵のモデルになった。--ユタカが試験で最高点を取った時、ゴンという級友らがカンニングとはやし、血が違うと言った。ユタカは、どう違うかと、互いの指を切って血を比べようといった。--イカンテ婆さんは、田沢先生のところへ縁談を持ちこんだが、断わられた。この人こそアイヌを和人と同列に扱うと思っていたのに。マサの肖像画が入選し、谷口先生は東京で絵の勉強をすることになった。その送別会の日、フエがいなくなった。婆さんは急病で倒れ、暴風雨の夜、死んだ。佗しい葬式が行われた。ユタカは学校でまたゴンに蔑まれ、決闘することにした。ゴンをやっつけて、俺も死のうと思ったのだ。ゴンは助勢をつれ、彼を罠にかけた。マサはあちこちをたずね歩き、やっと弟を見つけた。傷を受けて昏倒していたが、表ザタにはできなかった。やっぱりアイヌだ、野蛮だとユタカが悪者にされるだろう--イヨンは失業していたが、ユタカの傷が治った頃、木こりの仕事が見つかった。ユタカも熊彫りのアルバイトをして、高校へ行こうと思った。しかし、父は倒れてきた木の下敷きになって死んだ。叔父の金二が姉弟を町へ連れて行き、知人の家に預けると言った。このまま二人で働いていたかったが、家は叔父の名義になっており、売り払われるらしかった。姉弟が連れられて行く朝、谷口先生から手紙がきた。二人は先生に負けぬようにがんばろうとしっかりと手を握り合った。(MovieWalkerより)

 

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 主人公の女の子が高梨沙羅にソックリだ

手前は水野久美、この映画では肉感的な印象はない

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森雅之はやはり上手い

いつもとは違うこういう役でも演じきれる