ゴダールの新作<イメージの本>を観た
たとえば誰でも
本を読みながら脳内で映像に変換すると思うけど
それは考えてするものではなく
特別な技術を要するものでもなく
己の思想や経験や感覚からくるのだろうが
自然と湧いてくる感じのものだと思うけど
そういうのがイメーってことなんだろうね
そんなイメージの積み重ねが
ある意味映画であるともいえるかもしれない、、、
本編中、、、アンダルシアの犬、キッスで殺せ!、最後の人、大砂塵、ソドムの市、ジョーズ、めまい、雨月物語、キートン将軍、道、快楽、そしてエレファントなどなど数々の名作映画のシーンが映し出される、まるでコラージュのように、、、
たんにイメージなら
テーマとかメッセージはなくても良いはずだけど
やっぱりゴダールだからね、なんかメッセージっぽい感じになっちゃうんだよね
それまでは政治色が強くても観客を呼び込もうとしていたゴダールが
<Here&There>の頃からはまったく観客を寄せ付けないつもりのように
観客から距離を取り、「ついてこれる奴だけ来い」的な
でも、ときどき戻ろうとして
でも、結局は居場所をなくしてしまっているような
芸術でも、エンタメでもなく、政治、革命
でも思うのは
メッセージって一部の人ではなく
より広く、より多くの一般の人にこそ届けるもので
届かなければ意味がないし
伝わらなければ、それはもはや本来の意味でのメッセージでもなく
そして、それが共感されなければ、さらに虚しいものとなる、、、