<ゲームの規則>は映画史上の揺るぎない大名作であり
日本ではむしろ<大いなる幻影>が紛れもない名作であるが
ほかにも<ピクニック><素晴らしき放浪者>は美しくポエティックでもあり
インドで撮影した<河>は絵画そのものであり
<小間使の日記><南部の人><獣人><どん底><フレンチカンカン>
さすがのさすがの巨匠の作品群なのだが
実はボクは正直に言えば
あまり好きではないんだよねジャンルノワール
アルトマンもアルドリッチもダニエルシュミットも
みんなみんな大好きなルノワール先生だけど
難しい映画でないのに
何故か退屈に感じる
すべてが目を見張るような画でもなく
非常にルーズな凡庸な構図だったりもするし、ね、、、
ところがところが<黄金の馬車>
画だけなく語りも巧く、、、釘付け
日本では埋もれがちだが
ルノワールの代表作とされている
舞台女優の女を中心に
揺れる女ごころ
殿様、闘牛士、同僚俳優
二股どころか三股の恋のバトル、、、
ツカミがいいんだよ
最初ロングでFIXで舞台を撮っている
キャメラは徐々に寄っていき
「馬車だ!馬車だ!」の声が届くと
キャメラは更に寄り舞台の上に上がり
ステージだったはずの場所はお屋敷の室内へと進んで
そのまま物語が始まる
ツカミはOK!
ラストも大団円で
今度はお屋敷の奥からずっと引いて引いて
ロングになるとそこは上演中の舞台
拍手拍手拍手喝采だよ、、、いいね!
このズームバックもいいだよね、これぞズーミングだよ
セットが非常に面白く、変幻自在にキャメラはポジションをとる
海外では非常に評価高い作品でも、日本では公開が何十数年も遅れたりしたため埋もれがちになってしまった名作、傑作が多い、、、そのため日本では多くの人が観ることもなく、正当な評価もされず、名作の扱いもされない、、、元をたどれば戦争による海外映画の輸入空白期間がもたらしたものかもしれない、、、