<サタンタンゴ>を観ようか
<帰れない二人>を観ようか
悩んだ末にチャンイーモウの<SHADOW/影武者>にした、、、
思えば
監督本人は昔から武侠物が好きだと公言し
武侠物を撮ることを欲していたのだが
それが叶い<HERO><LOVERS>と実現したものの
やはりファンの多くは小市民を描くような作品を望んでいるので
監督本人とファンとのギャップが埋まらないような気がする
そしてとうとう
超大作の<グレートウォール>なんて作品まで撮ることになるが
これは興行的にも近年まれにみる大失敗作となってしまった、、、
思えば
大人の事情ではあったのだろうが、
チャンイーモウが駆け出しの頃
さんざん世話になった日本に対する反日的な
中国国策映画<金陵十三釵>を撮ってから
あまり仕事がうまく行ってないような気もするのだが
チャンイーモウここにあり!と
その存在感を示したくとも
新作は日本では小規模上映扱い、、、
そんな<SHADOW/影武者>
時は戦国時代、沛(ペイ)国が領土を、敵の炎国に奪われて 20 年。若くしてトップを継いだ王は、敵と休戦同盟を結び、平和だが屈辱的な日々に甘んじていた。奪還を願う男たちの燃え上がる闘志を束ねているのが、頭脳明晰で武芸の達人の重臣・都督(トトク)だ。都督は敵の将軍にして最強の戦士・楊蒼(ヤン・ツァン)に、手合わせを申し込む。彼の勝手な行動に怒り狂う王だが、実は目の前の都督は影武者で、本物の都督は自分の影に、自由と引き換えに敵地での大軍との戦いを命じていた。そして王も、ある作戦を秘めていた。果たして、影武者を待つのは光か闇か、それとも──?(Filmarksより転載)
水墨画のような映像が
この作品の特徴であり、ウリとなっている
人の肌以外は
すべて墨で表現したような色遣い
それこそ
<HERO>や<LOVERS>のような鮮やかな色調の「裏」を今回は狙っている
アンリーが<グリーンデスティニー>でやったことも
イーモウが<HERO><LOVERS>でやったことも
しょせんはキンフーの模倣であるのだから
独自性を表面に出したいと考えたとしても当然のこと
しかしながら
こちらもウォンカーウァイがすでに
<グランドマスター>で手を出している部分でもあるので
あまりアートスティックに寄ることも避けたかったのかもしれない
なんだかイーモウがもがいているような気がしてならない、、、
(あ、そういえば、グランドマスター以降、カーウァイ新作出してないなぁ)
だいたい
王には妻がいないのは何故か?
話が複雑になるからそれを避けるための処置?
いくら身を隠しているといっても
都督の身なりがみすぼらしいのは何故か?
頑張ってCG処理しているけど
ロングの画の奥の奥の山並みが
おそらくマットペインティングなんだろうけど
手前の雨と馴染まない気がするのだ
マットペインティングは動きがないのだから
雨や風の描写が手間にある場合は
奥の絵(この場合はまさしく絵)と不自然に馴染まなく感じる
だからイーモウは
CGだとか最新技術を駆使するような作品は
向いていない気がするんだよね
いくら武侠物が
マンガのようなもので
何でもありだとしても
傘が独楽のようにクルクル回って移動するのは
やはりバカバカしかった
ま、それでも
最初から最後まで
それなりに面白く飽きることなくみせるイーモウ腕前は確かなもの、、、
3.5☺